死せる朝日の会

「お前まさか？ 顕神交代を使う気か？ あれがどうゆう物かわかってるのか？」
俺はひどく慌てた、ヒナは俺の代わりに神になろうとしているのだ。 それは、決して私利私欲からの行いでないのはわかる。 しかし、そんな簡単な選択じゃない、神とは常に世界を管理する者、永久に死ぬ事も無く、誰とも相容れる事も無く、それでいて誰からも認識されない、自分の意志で逃げる事すら許されない監獄のようなものなんだ、普通の人間だった彼に耐えられるはずは無い。
しかし、
「わかってるさ、俺は神になり、お前は人間になる。 それだけの事だろ？ そうしたらお前はリンダと生きればいい、もちろんそれはリンダの為であってお前の為じゃない。 それに、神になっても今の仲間とは話したりできるみたいだしな、それなら問題無いだろ。」
俺はその言葉にハッとなり、自分の手元を見る。 すると右手の手のひらに、小さなかすり傷を負っているのが見えた、少しだけヒリヒリする。 これを見た俺は確信した、
「既に交代をしているな？ だから神としての知識を持っているんだな？ そして今の俺はただの人間、だから肉体的な怪我をする。 そうなんだな？」