死せる朝日の会

刀が、そんな、じゃあ本当にあいつは。
「お前の中には確かにヒナとしての記憶がある、だがそれは私がやった事だ。 あとはエイトの者達がお前を“ヒナ”だと思い込んでくれればいいからな。 そうする事で私は身を隠す事に成功したんだ、それもこれも全て、お前をここまで引っ張り出す為だ。 全ての作戦は完璧だった、いや、完璧なはずだった。 こればかりは想定外だったとでも言うか、あるいは想定するべきだったのか? まさかなぁ、お前とリンダの仲が、これほどの短時間で接近するとは思わなかったよ。 本当にリンダには悪い事をした。 そもそも、恋人はユリスっていう設定があるのに、それを無視して浮気とはな、恐れ入るぜ。」
好き勝手言ってくれるな、ユリスにはきちんと話をしたんだからな。
「お前に言われなくてもわかってる、これから消える人間と恋仲になっても辛いだけだと言いたいんだろ? 確かに俺は…」
俺が少しだけ熱くなっていると、アリスは俺の台詞を無理矢理に止める。
「待て待て、そうじゃないんだ。 結果的には近いんだけど、もっとひどい話になる。」