アリスはソファーから立ち上がり、俺の顔に自分の顔を近づけて言った。
「なかなか良い質問だな、予想以上に高柳周一がお前に与えた影響は大きいようだ。 いいだろう、教えてやるよ私の正体をな。 私はアリスではない、私の本当の名前はヒーナイズ・フェイテッド・アルム。」
俺は一瞬、何が起きたのかわからずに頭が真っ白になった。 そして直後、我に返った俺はアリスを見て、
「嘘は通じないぞ、確かにお前はただ者じゃないのは理解できる。 しかし、お前がヒナであるはずは無い、いまだに記憶は戻って無いが、確かに俺の中にヒナの記憶がある、何度も断片的に見たんだ、間違いない。」
そうだ、さすがに騙されないぞ。
しかし、アリスは俺から離れソファーに戻る、そして右手を軽く持ち上げてからこちらを見た。
「戻れ、我が愛刀“月洛の蒼白刀”」
アリスがそう叫ぶと、俺の首からぶら下がっていたペンダントが光り出す、そしてそれは鎖を引きちぎり、アリスの手元に吸い込まれ、やがて刀の形になる。