へぇ、そうなんだ? そんな小道具があったのか。 俺はそのペンダントをまじまじと見てからユリスに返す。
「あと1日か。」
なにげに口にした言葉に、みな一様に静まり返った。そんな時、 入り口のドアが勢い良く開けられる。
「よし、じゃあ出掛けるぞ、準備はいいか?」
と、パステルがハイテンションで戻って来た。
「ヒナ、他の幹部はすぐに集められるか? できるだけ早く来る様に、召集をかけてくれ。 あと、ユリスと一緒に行ってきてもらいたい所がある。」
そう言ってパステルはユリスを見る。するとユリスはそれがわかっていたかのように頷き、俺の手を取って歩き出した。
「急げよ、時短はもう無いからな。」
パステルの呼びかけに、手を上げて答えるユリス。
「ヒナ、車運転できるよね? 」
早歩きで教会から出た俺とユリスは、小さな駐車場にいた。そしてポケットから何かを取り出して俺に投げる。 とっさに受け取ったそれは、実に飾り気の無い普通の鍵だった。
「まさか運転しろと? 」
まあ、確かに俺は多少の運転経験ならある。