「お前たちは私の事をアリスと呼んでいるのだろう？ 皮肉な話だよな。 まあ構わないが。女は多少ミステリアスな方が惹かれるもんだろうからな？ さあ、私を捕まえるんだろ？ 方法もわかってるんだ、ためらうな。 しかし、先ほどの様なマネをしたらどうなるかわかってるな？」
はたして、こんな小さな女の子のどこから出ているのか疑うほどの威圧感が俺を襲う、情けないが少し足が震えていた。俺はそれをなんとか抑えながらもう一度手の中の破片を見る。 それは有り得ない事ではなかった。現にパステルは願っただけでここに来たのだから、ならば捕まえるにはどうしたらいいか？ それはもう一つしか無い、思うのだ。 俺はパステルの目を見てこう言った。それは後々、俺自身が後悔するほどはっきりと、それでいて清々しいほどに男らしい言葉になった。 できる限りの真面目な顔をしてパステルを見る、そして深く息を吸ってから、
「俺はお前が欲しい、俺の物になれ。」緊張のせいか大声になってしまった、しかし、これ以上無いくらいに思いは伝わったはずだ。