すると、先生が振り返った。




「・・砂岡。」


驚いて、扉にかけた大きな手を、ひっこめた。



そして、ゆっくりと私に近づいて来て。


鞄を床に置き、私の目の前にしゃがんだ。


大きな革靴が、少し汚れていた。