「おっ、ごくろうさま。」

奥のデスクに座っていたおじいちゃんが。


老眼鏡を少しずらして、私を上目づかいで見た。


私は、頼まれていた書類を渡すと。

サインをもらい。

キーを叩く音しか聞こえない、異様な雰囲気の部屋から。

そそくさと出た。


だって。なんだか居心地が悪い。


私は早めに戻ろうと、急ぎ足でエレベーターに向かった。