先生が最後の日。

泣きじゃくる私に、ハンカチをくれたんだ。



しばらく、そのハンカチを持ち歩いて。

時々、顔にあてて、匂いを嗅ぎながら。


先生を思い出したりしていた。



高校受験の時もこっそり、制服のポケットにしのばせてた。


その時は、もう先生の匂いはすっかり無くなっていたけれど。

その白いハンカチは、私のお守りになっていた。