『で、あんた誰なわけ?』



「大石玲音」



ん?

どっかで聞いたことある…





………………あっ!

思い出した!



入学式のときから女子に騒がれて、この学校じゃ1番のイケメンと言われている。



周りの女子が喋っているのを何回も聞いたことがあるし、音夏もたまに話している。



でも、男に興味のない私は目の前に学校一のイケメンがいようとどうでもいい。




と言うか…



『早くそこ退いてくれます?
通れないんだけど。』




さっきから大石玲音は入り口の戸の前から動かない。




はぁ…


なにこいつ…




「じゃあさ……
ぶつかってきて足踏んだ罰として俺と付き合えよ」





………大丈夫か、こいつ。



私が言い返そうとしたとき、初めて玲音の顔を見た。