2番ホーム、3列目

「よー、浅井!おはよ!」

「…はよ…」


不運にも、私の隣の席はまさかの如月。
みんなの視線が痛い。
そりゃ、たいして可愛くもない私が
如月の隣の席で、毎日こうして話しかけられるのがムカつくのはわかる。
けど、そんな冷たい視線で私を見ないで欲しい。
少しずつ治りかけた心の傷が氷の針で
再び引き裂かれてく感じがして
凄く痛い。



「なんだよー、元気ねーなー!!
また、クールビューティー気取ってんのか?」


「…ハナ、私自分の机戻るね…。」

ムカつく。
如月は、デリカシーがなさすぎる。
それに、自分がモテるっていうのをちゃんと自覚してない。
もう少し、私の気持ちを察してよ…。


「お前さー、クールな顔してるわけでもねーのに
クールビューティー気取ったって意味なくね?」

「うっさいなー!別に気取ってるわけじゃないって!
もとから、私はこうなの!!もう、私に話しかけてこないで!!」

「そんな怒んなよー、可愛くねー顔がもっと台無しだぞ!」

「ちょっ、私借りにも女の子だよ!?ホント、デリカシーなさすぎ!」


みんな、私達を見てる。
ざわざわしてて、『見てないです』って雰囲気が漂ってるけど
ちゃんと視線がこっちに向いてる。
如月は馬鹿だから気づいてないけど、みんなの視線が痛い。
なんか、1人で浮いてる感じでイヤだ。
私だけ、何も見えない暗いところにポツンと立ってる感じでイヤだ。
私は強いから1人でなんでもできるって思ってたけど、何もできない…。


まだ、力不足なのかな…。


もー、全部如月のせいだーーー!!!