2番ホーム、3列目

――――ガラガラッ!

「お!隼人じゃん!珍しく遅刻してねーな!!」


クラスの男子がアイツに向かって喋りかけた。


アイツ…如月 隼人……。
私の天敵で遅刻の常習犯。
何考えてるかわかんなくて、何かと私に絡んでくる。
ダークブラウンの髪に、切れ長の茶色い目。
183センチの長身に、着崩した制服。
たまに、くしゃっと笑った笑顔は天下一品。
そして、何と言っても私以外の女子には格別優しい。
これを、世の女子高生は真のイケメンと言うのだろう。


でも、私はそんな如月が大キライ。
男子は基本無理な私だけど、アイツは特に無理。
何かと絡んでくるのも無理だし、
口を開けば私の悪いところしか言わないのも無理。
笑顔も天下一品だけど、口の悪さも天下一品。
そして、軽い感じでいつも気まぐれ。
ホント、ムカつく男。

私の、清潔で優しいって理想の男性像とは正反対。


「げっ…如月じゃん……。」

「ハナ、如月くんのこと凄い敵視してるもんね。」



「うっせなー、流!俺だって、たまにはちゃんと来るし!」


出た…天下一品の笑顔。
もう周りの女の子が、みんな釘付けだよ。


崎本 流。
アイツ…如月の親友。
中学から一緒で、よくアイツのことを熟知してるらしい。
崎本もイケメンで、如月と同じくらい騒がれてる。