「ハナ!こっちこっち!!」


カナが、笑顔で手を振る。
さっきまで、委員長のことで傷付いてたのが
もう忘れられそうになった。


「ホント、ごめん!!委員会あるなんてわかんなくてさ。」

委員会が終了してから、私はすぐに図書室を抜け出して
玄関へ走った。

如月は「お前、そんな焦ってどしたの?」
とか聞いてきたけど、そんなの無視。
委員長は私に気づくことなく他の女の子と話してたから
抜け出しやすかった。


「ハナ…なんか無理してそうな顔してるけど、
大丈夫??」


カナが私の顔を覗き込みながら聞いてくる。

私は、涙の跡に気づかれたらどうしようってヒヤヒヤしながら
「大丈夫!!なんにもないから。それより早く行こ!」
そう言って、カナの肩をちょっと押した。