「おい。帰らねーのか?」 「え?…ううん、帰るよ。」 如月が、私の頭をポコンと叩きながら 聞いてきた。 ―ギュっ… 突然、如月に手を握られた。 「えっ!?どうしたの?」 「途中まで帰るぞ。」 如月は、私を玄関までぐいぐい引っ張っていく。 周りの人だかりに容赦なくどんどん進む。 たまに、足を躓いて転びそうになる私。 でも、手だけはギュっと強くつないでくれる。 如月…。 ホントは、優しいんだよね? わかってるよ、私…。