………でも、俺より先にキスマークを付けた相手が気に食わねぇ。
つぅーか、俺より先にキスマークを付けさせた稚春も気に食わねぇ。
…っつー事は。
「おい、マジで腹立つから右向け。」
「え?な、何?」
「ぃぃから右。」
何が何だか分からない、と頭にハテナマークを浮かべながらも俺の言う通りに右を向く稚春。
前から本人にも言ってっけど稚春は隙がありすぎだ。
「向いたよ?隼……ひゃっ!」
稚春が右を向いて十秒後。
俺は稚春の腰を引き寄せて、顎を掴んで
稚春の左側の耳の下についているキスマークの上に舌を這わせた。
「ちょっ!どこ舐めてんの!?」
「分かんねぇの?」
両手で俺の胸辺りを押して抵抗をみせる稚春の腰を、さっきよりも強くグッと引き寄せる。
「マジで何がしたいの?本当になんなの!?」
うるせぇな。
俺はどこの男につけられたか分かんねぇこのキスマークでイラついてんだからギャーギャー騒ぐな。