「でも、それを我慢できたのは《SINE》が居場所だからだ。下の奴等も、棗達も。そして、俺も。」




そりゃあ、ぶつかり合う事だってしょっちゅうある。



それでも。





「自分の中の欠けたものとか、何かのトラウマを克服できるものとか、求めていたものが《SINE》にあったから、それが我慢できたんだ。」




自分が求めていたものが、此所にはあったから。




「だから、それを踏みにじる奴を《SINE》の奴等は許さねぇ。いや、許せねぇ。」




それを踏みにじる奴は例え、好きな奴でも…惚れた奴でも許しはしない。




「俺等や、アイツ等にとっちゃあ《SINE》は家族みてぇなもんだ。


だから臭ぇかもしんねぇけど、絆っつーもんが《SINE》にはあんだよ。それは稚春も入ってんぞ?」




それは俺も、含めて。




「………まぁ、話が逸れたけどな、誰だって知られたくねぇ事はあんだよ。俺にも、ある。」




悩みを持ってねぇ奴なんか居ねぇんだ。