「はぁ…。稚春、わりぃ。」
「ん?」
「やっぱり我慢できそうにねぇ。」
「え?何がどう…んっ。」
稚春の言葉を遮るようにして口を塞ぐ。
勿論、キスという行為で。
「ちょっと待っ…」
「待てねぇ。」
「はや…ンン、と…んァっ、」
稚春の甘い吐息が俺の本能を掻き乱す。
苦しそうな表情の中に、気持ち良さそうな顔が時々見えて。
その顔に、簡単に理性なんて崩される。
「はぅ…く、るし…」
そう言ってとろんとした瞳で見つめられると、何もかもぐちゃぐちゃにしてしまいたくなる。
「も…ム、リぃ…はぁっ、」
「俺だってムリだ。」
俺の胸板をドンッドンッと稚春の手が叩く。
それは息が苦しい、というサインだけど俺は止めねぇ。いや、止めれねぇ。
目の前で目を潤ませて甘い声を出す稚春を、壊してしまいたくなる。
「はっァ、お…かしくなっちゃうよ…アぁっ」
「おかしくなれよ。」
ぐちゃぐちゃに乱して、溺れさせて、壊して。俺が居ねぇとダメな体にしてしまいたい。
その、綺麗な瞳には俺しか映らねぇように。

