騒がしい言い合いには不似合いの陽気な声が耳を通った。
それに「オレンジジュースが一番好き!!」誰に向けるでもなく、叫んで自分の好みを晒す。
と、
「…ブッ、なんの宣言なんだよ、稚春ちゃん!」
「………え?」
何故か笑われた。
思わず動きを止めて銀を凝視すると、最初に噴き出した銀を筆頭に銀の周りにいた皆もクスクスと笑いだした。すかさず銀に向けていた目をその人たちに向ける。
その先には笑いを堪えて肩が震えてる人や、我慢できなくなったのかお腹を抱えて床に這うような形で笑っている人がちらほら。その原因が私だってことはすぐに分かった。だからこそ
「オレンジジュース、いただきます。」
大人しく連からオレンジジュースを受け取って口に含んだ。
それを見た棗が「落ち着いた?」なんて笑いを堪えながら言うから「煩い。」素っ気なく答えて長い髪の毛で顔を隠すように俯く。
ヤバい。周り見てなかった。
「……え~、もしかして照れてるの?照れてるの~?」
「奏煩い。」
「照れてるんだ~?」
「煩いってば!!」
「照れてる稚春も可愛いぞ!」
「…も~っ!!!」
照れてるって分かってるなら気を遣って喋りかけないでほしい。髪の毛で隠してる顔を更に手で覆い隠して唸る。勘弁してくれ。
「稚春が照れるなんて珍しいね。っていうか初めてじゃない?もっと見せなよ、その赤面。」
「なんで棗はそんなにSなんですか。」
もう何なの、と顔を上げる。その直後にしまったと後悔に顔を歪ませた。にやり。棗が怪しく笑ったのが視界の端に見えたから。

