赤い狼 四






突然始まった体育会系の指導に目が点になる。え?え?え?これって私もした方がいいの?先生ぇぇえ!!とか言った方がいい?




「もっと腹から声出せや!!」



「すんません先生えぇええ!!!」



「俺は先生じゃねぇ!奏だ!!」



「ひぃいいい!!」




迫力負けした。



クワッと目を見開いた奏はかなり怖かった。いつもの「これ美味しいよ~。食べる~?」なんて甘々な間延びたセリフとは180度違ってた。だがしかし、ここで奏に負けるわけには「そろそろ現実に戻ってこい。」




強制的に現実に引き戻された。




「ったく、騒がしいと思ったらお前ら何してんだ。」



「や、やぁ隼人くん。」



「ぶっ飛ばされてぇのか。」



「すみませんでした隼人様。」




目の前に出された隼人のきつく握りしめられた拳を見てすぐに頭を深々と下げた。恐るべし《SINE》のボス。




「お前らも見てねぇで止めろ。」



「いや、面白……放っておいたらいつまでやるのか気になって。」



「叫ぶ稚春も可愛いかった!」



「止めたらハゲ散らかされるから出来ね~んだよ。」



「なんで俺らの族はこんな自由人ばかりなんだ……。」




三人のセリフに頭を抱える隼人を見て「いや、あなたが一番自由人ですよ。」と言いたくなった。だけど未だに握りしめられた拳が怖くてお口はミッフィーにしておいた。賢明な判断だと思う。