…まぁともかく。
棗は銀のように目立つようにやるんではなく目立たないように、しかも誰にもバレないように何かをするのが得意だというのは分かった。
よし、気を付けよう。
「稚春ー、そんなとこで突っ立ってねぇでこっち来いよー!」
「ここでも十分食べれるよ?」
棗は危険人物、と頭にメモをしていると連が手招きしてきたから反射で返事を返す。
「そうじゃなくて!俺が稚春と一緒に食べたいんだよ!!」
それにすかさず言葉を返してきた連は若干頬を赤く染めた。自分で言って照れてどうすんのよ。
心の中でそうツッコんで考える。
もう今年最後だし、連のワガママを聞いてやるか。
「連~。」
「稚春~。」
「れんれん~。」
「クソ銀、近寄るなっ!!」
連が私とハグしたまま、仲間に入りたくなって両手を広げてこちらに近付いてきた銀に吠えた。
途端に銀が寂しそうな表情を顔に出す。
でも私たちに近付くことを連は決して許さなかった。何故なら銀の唇が一瞬、にやりと動いたから。
わざとだ。わざと寂しそうな表情をしたんだ。
どこまでも計算高い奴め、と銀を睨む。
と、
銀の淡い青の瞳がじいっと私を見つめてきて。それから、キラリ。そんな効果音が聞こえてきそうな綺麗な笑みを私に向けた。
いや、正確に言えば"私たち"にだ。
「れんれん~。」
「その呼び方やめろ。」
「れーんれんー。」
「ハゲ散らかすぞ。」
「ソレハ、ヤメテクダサイ。」

