赤い狼 四






「はい、稚春。」



「あ、ありがと~。」




にこり、今日も素敵な笑顔を携えて料理の乗ったお皿を私に渡してくれるのは棗。



「あいつ等すごい食欲だね。」と爽やかに笑いながら不良さんたちを楽しそうに見つめる棗はどこまでも気が利く人だなと改めて思う。




「棗は食べないの?」



「あぁ、俺はもう隼人の挨拶がある前に食べたから大丈夫。」




な ん だ っ て ?






「え…。」



「あいつ等には内緒だよ?知ったらたぶん怒るから。」




唖然として棗を見上げる。



すると、くすり。
面白そうに笑う棗の背後にさっきと同じ悪魔様が見えたのは気のせい…だと思う。



だけど一応、ぶんぶんと必死に首を縦に振っておいた。大丈夫。内緒にしておくと約束したからきっと大丈夫だ。




「約束だからね?破っちゃ駄目だよ。」




にこり。爽やかないつもの笑顔がとても怖く感じた。







棗さん

爽やか笑顔に

ニヒルな悪魔



一句できた。