赤い狼 四






そんな僅かな時間だったけれど、とても長く感じた。





「俺の運命の人は俺が決める。お前が勝手に決めつけんじゃねぇよ。」




チッ、と舌を打ちつ隼人を呆然と見ながら立ち尽くす。




「いいか、お前が何と言おうと俺の運命の糸は稚春、お前に繋がってんだよ。」




そんな私に隼人はずかずかと近付いてきて、私の唇にそっと触れるだけのキスを落とした。





(信じてもいいのかな。)




隼人の顔が離れてすぐに俯き、そう心の中で呟く。






だからこの時、自分のことで精一杯だった私は



「―――好きだ、稚春。」



隼人が小さな声で愛おしそうに囁いたことなんて知らなかった。