そんな僅かな時間だったけれど、とても長く感じた。
「俺の運命の人は俺が決める。お前が勝手に決めつけんじゃねぇよ。」
チッ、と舌を打ちつ隼人を呆然と見ながら立ち尽くす。
「いいか、お前が何と言おうと俺の運命の糸は稚春、お前に繋がってんだよ。」
そんな私に隼人はずかずかと近付いてきて、私の唇にそっと触れるだけのキスを落とした。
(信じてもいいのかな。)
隼人の顔が離れてすぐに俯き、そう心の中で呟く。
だからこの時、自分のことで精一杯だった私は
「―――好きだ、稚春。」
隼人が小さな声で愛おしそうに囁いたことなんて知らなかった。

