「お前、何言ってんの?」
「別に。隼人には私なんかじゃなくてもっといい人が居るはずって言ってるんだよ。」
「訳わかんねぇ。」
隼人が髪の毛をくしゃり、手で掻き乱す音が聞こえた。
それを耳にしながら緩やかに笑う。
「隼人の運命の糸は、私にはきっと、繋がってないからね。」
運命の糸なんてそんなものないのは分かってる。だけれど隼人が好きなのは妃菜ちゃんでしょ?私が居るから、妃菜ちゃんのところに行けないんでしょ?
妃菜ちゃんが好きで好きで。私を妃菜ちゃんと間違えて呼んでしまうくらい好きなんでしょう?
妃菜ちゃんも酷いことをして隼人を裏切ったという過去があるのに手紙を書くほど好きなんでしょう?
どんなに辛い過去があったとしても今でも想い、想われて、両想いなんでしょう?
それって、お互いに運命の人なんじゃない?っていうか、そうとしか考えられないよ。
視線を隼人に向ける。すると、切な気に揺れる黒い瞳が私を捉える。そんな目で私を見ないで。
ぎゅっ、と拳を握る。なんだか泣きそうになって目を三秒間、泳がせた。
と、
「稚春の運命の糸は俺と結ばれてんだろ。」
「………え?」
耳から脳に届くのに1秒。
理解するのに1.5秒。

