艶やかな声が耳元で聞こえたと思ったら、その主は私の髪の毛に顔を埋もらせた。え、ちょ、マジで何。
ぐるぐると回る思考回路の中、私の視界に入ってくるのはこのまま放っておくと酷くなりそうな乱闘を繰り広げる真っ赤な隼人と真っ青な奏。
あぁ、あの喧嘩を止めないと―――。
その思いで精一杯だった私は、髪に顔を埋もらせている奴に支えられていることで若干浮いてる両足をそいつに目掛けてぶっ放った。
「うっ、」
痛そうに声を漏らす奴…もとい、銀は痛さのあまり私から手を離し踞った。
「よーしゃねぇな。」
「ざまあ。」
にやり、その言葉に笑って今度こそ騒がしい場所へ歩み寄る。
銀に背を向ける直前、「だってさっき腕回した時いい匂いしたんだから仕方ねぇじゃねぇの。嗅ぎたくなったのよ。」変態な声が聞こえた気がしたけど無視しておいた。やっぱり変態はいつでも変態だ。

