赤い狼 四






馬鹿なんじゃないだろうか。っていうか馬鹿。



白い目を銀に向けるけど当の本人は呑気に「ピスタチオ食べたくなってきた。」ピンクの前髪を鬱陶しそうに横に払いながらそう溢していた。



あぁ、そう。ピスタチオね。



こいつに普通を求めても仕方ない。ピスタチオですっかり怒りが冷めてしまって、まだ終わりそうにない隼人と奏の乱と…口論に意識を持っていった。



激しい口論(もう乱闘でいいか。)の周りでは不良たちが「いけー!!一発ぶちかましてやってください、隼人さん!」「負けちゃダメっすよ、奏さん!奏さんが男の中の男っていうところを見せるときです!!」馬鹿らしい声援を送っている。男の中の男って何。




本当、《SINE》の不良たちって馬鹿で予測不能だわ。そう呆れながら不良たちの中心を見守るけど




「もうそろそろ止めないと。」



二人の乱闘が酷くなりそうで足を進めた。



と、ぐんっと引っ張られた腕。




「わっ、ちょっ、何!」



前に進もうとしていた私の体は逆方向に引っ張られて見事にバランスを崩す。そしてそのままカクンと折り曲がった膝が地面につく――――ところでお腹に手が回ってきて派手に膝を打ち付けずにすんだ。




「ちょ、誰!!」



「無防備だな。」



「はぁ!?」