「痛いのは嫌です。」
「好きとか言った方が問題だろ。つーかよ、」
優魔が起こした苦痛な出来事に身を震わせながら否定する私に銀が真面目な返答をする。
いや、そりゃそうだけどさ。塚、それよりさ。
「なに…?」
つーかよ、の先が気になって私より20センチくらい高い銀を見上げる。でも銀の目線は私ではなく棗に向けられていた。
つまり銀が今、用があるのは私にではなく棗。
私だと思って返事したのが恥ずかしく感じて途端に熱が集まった顔を隠すように両手を押さえつける。そしてそのまま邪魔しない程度に棗と銀の会話を耳に入れながら近づいた。
鮮明に聞こえてくる二人の会話。
「棗ってよ、前から思ってたけどよー。マジな感じで稚春ちゃんのこと好きなわけ?」
「今さら…?」
「や、前から気になってたんだけどよー。どうなのか今ごろ気になって仕方ねぇのよ。」
は?と両手で顔を包みこんだまま口をだらしなく開ける。
どういう質問してんの。塚、このタイミングでそれ質問する?
ツッコミたいけれどツッコめない。つっこむ隙なんて1ミリもない。
――――ごくん。
緊張からか、唾を無意識に呑み込んだ。
と、
「とっくの昔に惚れてる。」

