赤い狼 四






「嘘つきは泥棒の始まりなんだぞ。小学生でも分かる。」



「あぁ誰の話かと思ったら銀の話か。」



「お前のことだっつーの!」




ぷんすか。いつもの色気を消し、エロい色をしたピンク頭をガシガシと掻きむしる銀に噴き出す。


自分の感情をうまくコントロールできないただの子供だ。




「俺はお前を連れて病院に行くわ!!」



「あ、私付き添い?いいよ。銀だけだと看護婦さん口説きそうだもんね。そこの綺麗でナイスバディなお姉さん、とか言いそうだもんね。色んな意味で心配だからついていくよ。」



「俺がお前の付き添いだっつーの!!!」




また大きな声をあげた銀。


それに「あー、うるせー。」ぶっきらぼうに呟き、両耳を手で押さえて銀の声をシャットアウト。そしてそのまままだ口喧嘩をしている奏と隼人へ逃げるように足を進める。


が、





「俺の存在、忘れてない?」





がしり。耳を塞いだままの両腕が大きな手に捕まった。




「ひっ、」



「俺の言葉は無視?」




軽く零れた悲鳴。それを無視して言葉を続ける声の主は酷く怒った様子でこちらに笑顔を向けてくる。




あんたも私の悲鳴無視してんじゃん。取り敢えず真後ろに立つ奴に回し蹴りを食らわして、そう言いたいところだがそんなことをしたら私の命に関わるから止めておこう。



でもそれにしても、




「―――で、無視なわけなの?」





棗って静かに怒るから本当、怖いな。