「これ、今からつけてもいー?」
語尾を延ばしながら棗を見上げると、にこり。
もともと細い切れ長な目をもっと細く変形させた棗が「貸してごらん。」流れるような動作で私の手からブレスレットをとり、私の左腕にはめた。
そして、
「とてもよく似合ってるよ。―――ダイヤよりも綺麗。」
「…っ、」
あろうことか、どこかのベタな恋愛ドラマから出てきそうなクサイセリフを私に吐いたのだ。
棗からそんな言葉が出てきたことに驚き、息を呑む。
だけど息を呑んだのはそれだけが原因じゃなくて。
「…おいおい、稚春ちゃん。なーに顔赤くしちゃってんの。」
棗から出たなんともクサイセリフに、照れたからである。
「………照れてない、し。」

