赤い狼 四






目に入った缶ビールに一瞬、先ほどのように「未成年っ!!」叫ぼうと思ったけれど、棗があんまりにも優しく、そして爽やかに笑うので注意する気が失せてしまった。



それを察知したのかしてないのか、「"棗も未成年"なんじゃねぇ?」やけに"棗も未成年"のところを強調しながら私の右肩を掴んで揺らしてくる銀。



それを見事に華麗にスルーし、




「これ、ありがとう。」



「俺がやったんじゃないよ?」



「でも綺麗。」




口元を緩め、棗に笑いかける。




「ふざけんじゃねぇよ、稚春ちゃん。」



「黙れエロの塊。」



「それなら変態の方がマシだ。」



「最近、ずいぶん仲がいいね。」




「「どこが。」」


ハモるなよ銀。




すかさず否定した言葉が銀と重なって舌打ちを盛大に溢す。



あぁ、なんてこと。仲がいいなんてそんな、おぞましいわ。




「稚春ちゃんと仲がいいなんておぞましいじゃねぇの。」



本当、おぞましい。





真似してんじゃねぇよ、万年発情期。行きつけの"ゼアン"にでも一人寂しく行っとけ。


そう悪態ついてやりたかったが、下唇を噛み、ぐっと我慢した。稚春お姉さんは大人なのだ。