赤い狼 四






でもその間も二人は私からの答えを求めて迫ってきて…。




え、両方とか言えばいいわけ?でもそれ言っても言い合いは終わりそうにないしな。どうしよう?




ぐるぐると考える。




でもその途中、優吾の「早くっ!」急かす声に慌てて叫ぶように答えた。





「ココアが好き!!!」





「……はっ?」



「ココア…?」





何でそこでココア?



そんな声が聞こえてきそうな顔をする優吾と慶吾。




まぁそれもそのはず。二人が聞いていたのは"カプチーノとコーヒーどっちが好きか"だからココアは関係ない。でも私はカプチーノより、コーヒーより、ココアが個人的には一番好きなのだ。




だから、ココア。そう答えただけ。




なのにこのオレンジの二人ときたら。





「え、ココア…?」



「ふぅん、ココア…か。」





半ば困惑状態だ。


さっきまでの元気はどこ行った。