赤い狼 四






「へぇ~。」




軽く感心の声を溢して机の上に置いてあるメニューを手に取る。



何にしようかなー。


色んなケーキの名前を目を忙しく動かして頭に入れる。




チーズケーキに、シフォンケーキ、ガトーショコラ、フルーツタルト。他にもいっぱい種類がある。



こんなにいっぱいあったら選べないな。



うーん、と頭を抱える。すると、さっきから言い合いをしている二人が私に切羽詰まった様子で話しかけてきた。何だ何だ。





「稚春はどっちが好きなんだ!?」




右には目を鋭くさせて私に迫ってくる優吾。




「稚春はカプチーノが好きだよね?」




左には笑っているが黒いオーラを漂わせた慶吾。





そんなオレンジの二人に迫られて「えぇえ…。」至極困った声を漏らす。




「「どっち?」」




変なところ息が合っている二人に何で他のところでその息ピッタリな技を使わないの!?と言いたくなる。