「―――稚春?」




「私には望んでないことなのっ。」





不安げに揺れる漆黒の瞳が映すのは闇。



"それ"はどんどん私を引きずり込んでいくよう。




私はその瞳に『いっそのこと呑み込んで』と求める。




それを知ってか知らずか。ごくりと唾を呑んだ喉が上下して。








「―――俺と一緒は嫌か?」









隼人の瞳の奥に潜んでいた熱い感情が闇と一緒に迫ってきた。












『―――――"妃菜ちゃん"の存在の大きさをもっと知れって?』




闇に呑まれながら、私は。





そう、答えたくなった。