私が隼人の彼女だから《SINE》の皆とも仲良くできる。 隼人が"お前が必要だ"と私の手を掴んでいるから《SINE》に出入りできる。 だから、もうその離れようとしている手が完全に離れていってしまうなら。 私は《SINE》に未練を残さないために。 《SINE》の皆に私が居たという跡を残さないために。 突然吹いた風でフッと消えるような。 激しい音をたてて燃え上がる炎が静かに消えるように。 私の存在を静かに消そうと思う。