それを分かっていながら《SINE》の皆が居る神皇に転校することなんて、元々気が弱い私には。
自信がない私には。
どうしても出来ない。
隼人は言った。
"俺も"一緒に居たい。
そう、言った。
それほど嬉しい事はないと思う。
"俺も"
それは私と思ってることが一緒という意味で。
だけど、そう言ってくれた隼人は同時に"妃菜ちゃん"を想っていて。求めていて。
転校して一緒に居る時間が増えれば
『妃菜。』
同時にそう呼ばれる時間が増える。
『妃菜。』と呼ばないで。と叫べるわけでもなく。
"妃菜ちゃん探し"を止めて。と泣くこともできない。
そんな私と"一緒に居たい"と言ってくれてる隼人が憐れだ。
そんな憐れな隼人についていく《SINE》が滑稽で仕方ない。

