隼人がまだ諦めてないという目を私に向ける。



無理だと言ったのに…。と呆れる傍ら、心のはしっこでは転校したい。という心がチラチラと覗く。



でも、私の頭はそれを許そうとはしない。"お前には今通っている学校を卒業する義務がある"そう頭が現実を突きつける。




そんな訴えに私はすんなりと囚われて。




転校なんて無理だ。と結局は自分の意思ではない答えを隼人に浴びせるんだ。




「それでも無理…。」



「俺も、稚春に毎日逢いたい。一緒に居たい。」




否定を発したすぐ後に隼人が呟く。


その言葉に目を大きく見開くけど、それを言ってくれた隼人の赤い髪に当たる光が眩しくて目を細めた。




――――そんな事を言ってもらえるだけでありがたい。





そう思う私は馬鹿だろうか。




"妃菜ちゃん探し"をしているから逢えない時間。



それを埋めるかのような提案をされて、一緒に居たいと。




――――そう思ってくれている隼人がとても残酷であると思うと同時に恋しいと思う私は馬鹿なんだろうか。