改めて思い返してみると、すごく冷酷な人だ。
できれば、もう一生関わりたくないんだけどな。
"二人"ともには。
今度は隼人にではなく、"あの人"に対してため息を吐く。知らずの内に落ちていた視線を上に上げる。
その瞬間、顔を顰める。
目の前にあるのは隼人の顔。ただの隼人の顔なら顔を顰めやしない。
私が顔を顰めたのは
「何その顔。」
納得いかないオーラをとてつもなく醸し出している隼人がしつこいと思ったから。
「納得いかねぇ。」
ムッと眉を真ん中に寄せて目を鋭くさせて拗ねるように言う隼人。
それに「納得してよ。」と言おうとして口を紡ぐ。
きっと隼人は納得してと頼んでも納得しない。むしろ、それじゃあ強制だと反抗してきそう。
私に突っかかってくる隼人が瞬時に想像できて、額に手を持っていく。
隼人は時々お子様だ。
あれ嫌だの。
これやれだの。
気にするなだの。
納得いかないだの。
もう少し大人になれないものだろうか。
そう考えてすぐにその思想を消す。
隼人に到底無理なことを言ったってできっこない。

