もう一度さっきと同じ言葉を言ってきた隼人に「うん、聞こえてたよ。」と答える。
あまりにも突然なセリフを言うからビックリしちゃったんだってば。
「聞こえてんなら返事しろ。」
「あのねー、私が勝手に転校とか決めれると思ってるわけ?」
「俺が話つけにいく。」
「馬鹿言わないでよ。」
またの変な発言に顔を顰めて隼人のすねを蹴る。
「いてっ、」と小さな叫び声が聞こえたけど気のせい気のせい。
「お前っ、すぐ手ぇだす癖止めろよ。」
「手じゃないもん。足だもーん。」
「テメェ…。」
わなわなと拳を震わせている隼人からプイッと顔を反らす。
だってそうじゃん。"手は"出してないじゃん。
……たぶん、こういうのを屁理屈って言うんだろうな。
「で、返事はYESだろ。」
「は?NOに決まってんでしょ。」
「何でだよ。」
「親が許さない。」
「他にも理由あんだろ。」
「そもそもここ男子校。」
「………。」
「え。マジで?」
……こいつ、自分の学校が男子校だったの忘れてやがった。

