赤い狼 四






軽く頭痛がしてきた頭を抱える。



銀があんな話をしてきたからだ。くそう、銀めっ。




チッと銀に聞こえるように舌打ちをしてから睨み付ける。




それを見た銀は「あー怖い怖い。」棒読みで体をわざと震わせた。馬鹿にされたようでムカつく。




「終わったか。」



「…へ?」




突然降ってきた声と引かれた腕に気が抜けた声が出た。ま、間抜けな声だった。




恥ずかしいー。と俯くと、またさっきと同じように腕がグイッと強く引かれる。



反射的に引かれた方向を見ると、そこには無愛想な顔をした隼人が居た。




「な、何?」



「………。」



「あぁ、立てって?」




無言の代わりにより一層強く込められた腕への力の意味を理解して、よっこらせっ。と立ち上がる。



それを聞いた奏が



「婆さんじゃん。稚春婆さん。」



と鼻で笑っていたけど、聞いてないことにした。




私は大人だから奏の相手なんかしないからねー。