「…何なんだよ、お前は。」
そう言いながらも、私と同じ目線になって優しく涙を手で拭ってくれる隼人にまた涙が零れる。
そんな私を見て「あー、対処の仕方が分かんねぇ。」ぐしゃぐしゃと髪の毛を掻き乱す隼人がとても愛しく思えた。
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「稚春、もう治まった?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう。」
心配そうに顔を覗きこんでくる連の頭を撫でながらニコリと笑う。
それを見た連もニッと歯を覗かせて笑い返してきて、チラリと見えた八重歯に思わず可愛いなぁと頬を綻ばせた。
「本当、急に泣き出すからビックリしたよ。」
「うっ、ご、ごめん…。」
「いや、別にいいんだけどね?稚春が泣くなんて珍しいからさ。」
顔を歪ませて謝る私の頭をポンポンと慰めるように撫でて、優しく笑う棗。
そんな棗に感動して「棗ぇ…。」と泣きそうな声を出せば、
「一人で抱え込んだりしないでね。いつでも頼って。」
王子様みたいなオーラを出して、顔を覗いてきた。
…うわぁ。その笑顔は反則だ…。
キラキラのピカピカなオーラを放っている棗から瞬時に目を逸らす。
あ、危ないっ。王子様オーラで窒息死するところだった!!

