連に指を指されて
「俺は断じて悪くねぇ!」
そう慌てながら否定する隼人の言葉に連が飛び蹴りを食らわす。
それを涙で霞んだ視界に入れながら静かに涙を落とす。
私の方が捨てられたかと思った。
隼人にとって妃菜ちゃんの方が大事だから、妃菜ちゃんが見付かった今はもう私は必要ないのだと。
そう思っていたのに、隼人がまさか捨てられたと思っていたなんて。
塚、私が隼人を捨てる理由がない。捨てる、資格さえもない。
なのに、捨てられたかと思ったって…。
捨てられたかと思ったって…。
「そんなわけないじゃん!隼人の馬鹿ー!」
「あ゙?」
「わ、私の方が…っ、捨てられたかと思ったじゃんかっ。」
「…はぁっ!?」
「わぁああぁんっ!!」
隼人の言葉で、今までの心配や黒くてモヤモヤしたものが全て吹っ飛んで抑えがきかなくなった私はただそこにしゃがみこんで大きな声で泣く。
遠慮せずに思い切り泣いたせいで、廊下中にわんわんと私の泣き声が響いてるのが分かったけど気にせずに泣き続けた。

