赤い狼 四






棗に口を塞がれたまま、銀と言い合っていると突然聞こえた声。




その声に、肩が無意識に跳ねた。



ジッと見つめてくる漆黒の瞳。それから避けるようにして目の前に居た連に目を向ける。




「おー、隼人じゃねぇかよ~。今から隼人のところ行こうと思ってたんだけどよ~、このフガフガ豚が俺に喧嘩売ってくっからよ~仕方なく相手してやってたんだぜ~。」



「フガフガ!(ムカつく!)」




ケタケタと笑いながら隼人に説明する銀に足で攻撃を仕掛ける。


すると「うおっ!?」見事、カックンちょに成功した。




「おいこのブスッ!俺様に喧嘩売るとはいい度胸してんじゃねぇーかよ~。叩きのめ…フガガッ!!」




ニヒルな笑いを浮かべる銀が私に近付いてきた時、銀の後ろから手がニョキッと出てきて銀の口を塞いだ。



フガガッって……。銀も人の事言えないじゃん。




「フガッ!ガガガンガッ!(てめっ。誰だオラ!)」



「今回は連の勝ちー!稚春に手ぇ出したらタダじゃおかねぇからな!」




あ。今のはキュンきたわ。



ニッと笑ってピースサインを送ってくる連に同じようにピースサインを送る。




本当に連はいい奴だ。