ソファーの背もたれにもたれながら腕を組む。




一応はライバルとして認められてるって事か。まぁでも、そんな事はどうでもいいんだけどな。




ふう、と短めのため息を溢す。




分かってないな、隼人は。


恋は不利とか勝つとか負けるとか、勝負事じゃないんだよ。





ゆるゆると組んでいた腕を崩してソファーの縁に乗せる。






「隼人はどっちが大事だ?」






ゆるゆる。



足を組んでいく。




そのペースのまま胸ポケットに入っている煙草の箱を取り出す。




真剣な話をしている最中ってもんは何故か煙草が恋しくなる。



いつもは稚春が居るから我慢してたけど今は居ないから吸っても問題はない。






「大事なのはどっちだよ。」





一向に口を開こうとしない隼人をじっと見ながら先を催促する。




カチカチッという音の数秒後にライターの火が煙草につく。



それを口にして吸うと紫煙を出しはじめた煙草の味が口に広がっていった。目を細めて煙草の味を味わう。




やっぱり真剣な話の時は煙草に限る。



思わずふっと頬を緩ませた。





と、その時ぽつん。