その中から黄色いような、山吹色というような、そんな色の液体がどんどん溢れてくる。
しゅわしゅわと空気を吐き出す液体が隼人の指の間を通り抜け、腕を伝って肘からそのまま―――ぽとり。
床に落ちた。
「あーあ。」
次々と隼人の肘から落ちるそれを目で追いかけながら眉を垂らす。
ぽとぽとと落ちていくビールは一ヶ所の床に溜まっていくだろう。
「何がしたい。」
「別に?そろそろ俺も目を瞑ってるのはダメだなって思ったからさ。」
俺の考えを探ろうとするかのように隼人の目が俺の目を見てくる。
その目が細められたと同時に俺の顔が強ばった。
「何で稚春を連れてくんだよ。」
「……なぁ、今日は何で稚春居ないの?」
「質問に答えろ。」
「質問されてばっかじゃあつまんないじゃん。こっちの質問にも答えろよ。」
焦るなよ、とそう付け加えて息を吐く。
稚春の名前を出しただけでこの反応っていうのは普段の隼人からして考えられない事だというのに気付かないのか。
全く、大事な事を見失いすぎだ。

