「塚、どこもかしこもピンクだらけなんだね…。」
視線だけをぐるりと周りに向ければ、薄いピンクの家具や壁などが目に入ってくる。
ピンクの冷蔵庫、ピンクの机、椅子、ピンクの壁に掛けられている時計……あ。ピンクの箸入れに入っている箸や焼き肉のタレの容器もピンク色だ。
ここに銀が居たら違和感なんてなく、あのエロオーラ満載のピンクの頭がマッチするだろう。
っていうか、二階だけお店じゃなくてお部屋みたいな構造だな。タンスまであるし。
「…俺等専用のスペースまでピンクにせんでも良かったっちゅう意見は俺だけなんか?」
「珍しくそれには同感だな。」
「何だったっけ?弘さん、何でピンクにしたって言ってたっけなー。」
「女性客が気兼ねなく来れる焼肉屋にしたかったからなんだよん♪」
要がうーん、と首をひねっていると朋さんがお肉をたくさん乗せた大きなお皿を机の上に静かに置いた。
ことん、と机に置かれた二枚のお皿の上に綺麗に盛りつけてあるお肉を見て、今まで黙っていた優悪と陽が「戦争だぁああぁあ!!」声を張り上げた。
何事ですか。

