「隼人っ!」



「ぃぃのか?隼人。」




隼人の言葉に銀と棗が焦った様子で隼人を見る。


でも、隼人は二人をそのまま無視して私に話し掛ける。




「稚春。お前は俺の女であり、《SINE》の姫だ。だから俺等や《SINE》の皆はお前を守る。


でも嘘をついたり裏切ったりしたら、いくら稚春でも許さない。


いや、そんな稚春だからこそ俺等に隠し事するような事は"許されない。"分かるか?」



隼人が私の髪の毛を触る。



ゆるゆると髪の毛が小さく揺れる。



私は瞬きを一回して隼人を真っ直ぐと見た。




「分かってる。」



「…そうか。ならぃぃ。」




すると隼人は私の髪の毛から手を離し、またソファーに体を深く沈めた。




「ぃぃのか、隼人。」



「あぁ。稚春が何もなかった、っつってんだ。信じてやれ。」



「でも「俺の言った事が聞こえなかったのか。」」




納得がいかない様子の銀に隼人が鋭い目付きで睨む。



銀はもう何も言わなかった。




でもその代わり、私をさっきよりも鋭く睨むように見つめてきて。



居心地が少しだけ悪くなった。