私、それは嫌なの。それだけは。



だって、そしたら結婚の事がバレちゃうじゃない。


バレたらここから…最初から離れる気だった事が知られてしまう。



そうしたら皆との絆が、皆との思い出が、皆が変えた私が、全部消えてしまう…。




そう、絶対に消えてしまう。




これは予想でも勘でもなく、絶対にそうなると分かっている。




皆の目を見れば、分かる。



私を信じきっている目。


違法な手を使って調べても、明確な情報が出ない私を"仲間"だと認めるコイツ等。



それは馬鹿で、意地悪で、暴走族といういわゆる"はみ出し物"な奴等だけど


純粋で、素直で、心より体が先に動いてしまうコイツ等じゃないと出来ない事。




それはぃぃ事でもあるけど、悪い事でもある。




信じていたのに裏切られたら最後、心に重たく厚い、冷たい壁を作って絶対に入れてはくれないのだろう。




私は、コイツ等が望んでいる事を叶えられない。



絶対に、最後には




私はコイツ等に"裏切者"として扱われる事をする。



この場所を捨て、町を出て、隼人達には何も告げずに姿を消す。