なんだか全てがどうでもよく思えた私は、急な脱力感に襲われてだらーんと連に寄り掛かる。
もうこのまま寝ちゃおうかな。と現実逃避を試みたところ
「つーか、これから仕事は確実に増えていくと思う。」
「おいおい、マジかよー。勘弁してくれよ。俺には大事な用事があるんだぜ。」
「毎日四回、ラブホに通うのが大事な用事か?」
「ストーカーか?ストーカーなのか、棗ちゃんよー。何で俺の日課を知っちゃってんの。」
「《SINE》の幹部がとっかえひっかえ女とラブホに毎日通ってたら
そりゃあ知りたくなくても周りの奴等から耳に入るに決まってんだろ。」
「そうか~。ストーカーじゃねぇのな。」
嫌でも現実に引き戻される会話が聞こえてきた。
なんともまぁ、ハレンチな内容を銀が恥ずかしがらずにむしろ得意気な声で話すから
閉じていた目を勢いよくパチリと開けた。
馬鹿だ!銀は馬鹿だ!塚、ハレンチだ!やっぱり銀は歩く種馬男だった!
少しでもまともな処があるんだな。とおととい、思ったばかりだったのに。あれは何だったんだ。
奏の質問に真剣な顔をして答えた銀は幻だったのか。

