赤い狼 四






「えっと…。うん、まぁ少し寂しかったけど…。」



「けど?」




優しい低い声が私の耳から入って頭の中で響く。




「大丈夫。連が来てくれたし。」




近いから見えないだろうけど、連が来てくれて私の寂しさが薄れたのは本当だから…

ありがとね、と言った後に口に笑みを浮かべる。




「うん、やっぱり寂しかったかな。あのまま連が来なかったら少しだけ、泣いてたかも。なーんてね。」



「…。」



「だから連が来てくれて良かった。だって時計の音しか聞こえないんだよ~?もー、心細い心細い!」



「…。」



「…って連、聞いてる?」




私が喋っている中、連が何も言わないし動かないから、もしかして寝てるんじゃないかと心配になる。




「おーい。聞いてる?寝てるの?私がぃぃ台詞を言っている間に貴様は寝てしまったのかい!?」




でも声を掛けても何の反応も見せない連にしびれを切らして、体を少し離して連の顔を覗きこんだ。




「起きろー!…って起きてんじゃん。反応してよ。寝ちゃったかと思ったじゃん。」




私が話し掛けても俯いている連に、変な心配させるなよ~。と言いながらツンツンと連の肩をつつく。