「なぁ稚春。今日来てからずっと一人だったのか?」
「うん。隼人が車で学校に迎えに来て、何か用事があったみたいですぐに居なくなったよ。
それからずっと一人でお留守番。って、さっきからそればっかり気にしてるけど何かあったの?」
連にしては凄く心配してくるね?と連の服の裾を丸めながら言うと、連が「うるせぇよ。」とぶっきらぼうに呟いた。
「ふふ、煩くないもーん。」
「俺だってこう見えて、稚春の事日頃からいっつも気にかけてんだぞ。」
「はいは…いっ!?」
拗ねた口調で喋る連が可愛く思えてクスクス笑っていると、連に密着していた体を離されてグッ、と二の腕を掴まれた。
さすがにからかい過ぎたか、と怒られるのを覚悟で連の顔を見る。
「え?」
でも、連は何故か悲しそうな顔をしていた。
「ご、ごめんね、連。ちょっとからかい過ぎたよね…。」
そんなに傷付いたなんて、と慌てて連に頭を下げる。
「稚春。頭上げて。」
「でも、ごめんね?」
「…別にぃぃ。だから顔を上げて。んで俺も先に謝っておく。ごめん。」
「え。何、が―――」
連の言ってる意味が分からなくて顔を上げようとした瞬間だった。

