「んだよ、逃げんな。」
「うっ、」
そしてそのまま、ぽすっ、と私の顔が連の胸に押し付けられた。
ふわりと甘い香りの中にタバコの匂いが混ざった連の匂いが私の鼻を擽る。
「れ、連…?」
「…ん?」
私が連を呼ぶと連は片方の手で私の髪の毛をすいて、もう片方の手で私の背中に優しく触れてきた。
「な、何してるの?」
「稚春を充電中。それと、邪魔者が居ないから今の内にってやつ。」
「…?」
連の言っている意味が理解できなくて、少し考えてみたけど
連の手が気持ちぃぃからそんな事なんてどうでも良くなって結局、途中で諦めてしまった。
「稚春?」
「何?」
「《SINE》にあれからずっと来てたのか?」
連が飽きずに私の髪の毛をすきながら低い声で喋る。
耳元のすぐ近くで喋られて、少しだけくすぐったかった。
「うん。行ってたよ。まぁ、あれからっていってもまだ一日しか経ってないよ?」
「そうだっけ?稚春に一日も逢えなかったらスゲェ日にちが経ってる気がする。」
「大袈裟じゃない?」
ハハッと笑う連と一緒にクスッと笑って連の服の裾を掴む。

