「ん?何かしら?」


李子が優しく言うと、3人いたお嬢様の別の1人が目線を泳がす。


コレ……何回目よ。


「あの、貝堀君と江角君と篠巻君って、か、彼女とか……いるのかな?」


やっぱり今日もこの質問………か。


不安そうなお嬢様3人に向かい、微妙に引きつった笑顔を向けた。


「大丈夫だよ。皆彼女いないって。ねぇ李子?」


逃して貰えなかった恨みで、李子に見せた笑顔は笑顔じゃなかった。


李子の口元がヒクヒクしてるから、確かだ。


「うん、皆いないって」


「そうですか!ありがとうございますっ!!」